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概要
早稲田大学は、フュージョンズ社が提供する「fusion_palce」を使用し、予算編成システムを5カ月で導入しました。
2018年10月より全学の予算編成業務を支援するプラットフォームとして本格運用を開始しました。
インタビューの概要
予算編成も最終段階をむかえたタイミングで、fusion_palceの導入およびfusion_palceによる予算編成業務を行った早稲田大学財務部財務企画担当課長 大庭慎二様、財務部財務課 池田聡史様と情報企画部情報企画課 高橋雄太様に以下についてお話を伺いました。
1.fusion_place導入の背景
2.fusion_place導入で実現したこと
3.fusion_placeを選択した理由
4.fusion_placeの導入効果
5.導入プロジェクトについて
6.アップライトを選択した理由
fusion_place導入の背景
早稲田大学では、今日の大学に課せられた重い使命を果たすべく、これまでの歩みをさらに発展させ、アジアのリーディングユニバーシティとして確固たる地位を築くための中長期計画“Waseda Vision 150”を2012年に策定しました。
“Waseda Vision 150”では、早稲田大学が創立150周年を迎える2032年に、
①世界中から、世界に貢献する高い志をもった学生が早稲田に集い、
②世界の平和と人類の幸福の実現に貢献する研究が行われ、
③早稲田大学の卒業生(校友)が世界の至る所で、また、あらゆる分野で、グローバルリーダーとして社会を支え、かつ、早稲田大学と緊密な協力関係を築いており、そして、
④早稲田大学がアジアのモデルとなりうる運営体制を確立している
という姿(ビジョン)を思い描き、そのビジョンの実現に向けて、いま何をなすべきであり、何をなすことができるかを考え、13の核心戦略とそれを実現するための具体的なプロジェクトを提示しています。
“Waseda Vision 150”で掲げる財務体質の強化を実現するため、財務システムと連携した予算編成システムを2018年10月から本稼働させることを目的として、予算編成システム導入プロジェクトを立ち上げました。
早稲田大学では、2018年4月から稼働している財務システムにより勘定科目別のみならず事業別の予算執行管理ができるようになりました。しかし、財務システム自体には予算編成の機能が備わっておらず、また従前の予算編成システムでは事業別の予算編成ができないため、財務システムと連携できる新たな予算編成システムの導入が急務となっていました。
fusion_placeで実現したこと
前述のとおり事業別での予算編成に対応する必要があったため、新しく導入した予算編成システムでは、予算申請情報の入力から予算申請書の作成、本部による予算の査定、予算案の自動集計、各部署への予算内示・通知、予算書の作成および財務システムへの連携にまで及ぶ一連の予算編成業務に対して、事業を予算単位として予算情報を詳細に管理できるようにしました。
それに加えて、紙中心で組み立てられていた業務をfusion_placeに集約し、ユーザ間でリアルタイムに情報を共有できるようになりました。また、業務の流れを簡素化し紙の出力も最小限に抑えられるようになったことで、部署間の業務のやり取りをスムーズにすることができました。
fusion_placeを選択した理由
システムの選定にあたっては、以下の3点に注目しました。
1.ユーザが混乱なく使用できるシステムであること
2.短期間で導入できること
3.一定のパフォーマンスが確保されること
1.ユーザが混乱なく使用できるシステムであること
- 予算編成システムには、各部署の担当者に予算申請情報を入力してもらいます。担当者の中にはシステム全般の操作があまり得意でない者もおり、さらに予算申請は年1回の実施と定常的な業務ではないため、各部署の担当者が容易に理解できるシステムであることが望ましいと考えました。
- fusion_palceには以下のような特徴があり、各部署の担当者に対して手厚い教育をせずとも操作方法を理解してもらえると判断しました。
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- a.シンプルなメニューで構成されており直感的に操作ができる
- b.画面のイメージや操作感がExcelに近い
- c.Excelへのデータ出力が容易にできる
- d.Excelとのデータ連携機能が柔軟であること
- 導入にあたっては、予算査定を行う本部の担当者に対してのみ簡単な操作トレーニングを実施しました。一方で、その他の部署に対しては、予算編成に関する説明会の場で簡単な説明を行い、操作マニュアルを配付しただけで運用を開始しました。
- 結果としては、大きな混乱もなく予算申請情報の入力から財務システムへの連携(予算配賦)までの一連の予算編成業務を遂行することができました。
2.短期間で導入できること
- 本学の予算編成のスケジュール上、プロジェクト開始から5ヶ月で予算編成システムを稼働させる必要があり、短期間でシステムを完成させることが要件の一つでした。
- fusion_placeには以下の特徴や実績があり、5ヶ月で本稼働できる可能性が高いと判断しました。
- a.複雑なプログラミング不要
- 複雑なプログラミングが不要で、マスタの登録とフォーム(入出力帳票)の設定で多くの機能を実現できる
- b.多くの短期導入実績
- 多くの企業で短期間でシステム構築した実績がある
- a.複雑なプログラミング不要
3.一定のパフォーマンスが確保されること
- 予算申請期間中は多くの部署から予算編成システムにアクセスが集中することが想定されるため、アクセスが集中しても一定のパフォーマンスが確保される必要がありました。
- また、大量のテキストデータを含む予算申請データを保持する必要があったため、大量データの入出力の
- パフォーマンスが確保されることが理想的でした。
- fusion_placeには数百人規模のユーザでの運用実績や製品デモでのデータインポートの実演結果から、パフォーマンスに関する要件を満たすと判断しました。
fusion_placeの導入効果
fusion_palceの導入により、以下のような点が改善され、学内全般で作業の効率化が実現しました。
ある部署では、今まで三人で行っていた予算査定に関する業務を一人で行えるようになったなど、大きな業務改善効果がありました。
- 1.リアルタイムな予算申請情報の把握
- 従来の予算編成システムでは、部署が予算申請情報の入力を完了しないと、本部は予算申請情報を確認できなかったが、fusion_placeでは部署が入力中であっても本部が予算申請情報をリアルタイムに把握できるようになった
- 2.二重入力の解消
- fusion_placeに予算申請額を入力し予算申請書をfusion_placeから出力することができるようになり、今まで別々に行っていた予算申請書の作成と予算編成システムへの入力といった二重入力が解消された
- 3.出力業務の廃止による省力化
- 従来は予算内示書や予算通知書を財務部が出力し各部署に送付していたが、各部署がfusion_placeを用いて予算内示書や予算通知書を直接確認し出力できるようになったため、予算内示・通知に係る業務の省力化を実現
- 4.予算申請書の簡素化
- 従来の予算編成システムで複雑になっていた予算申請書の様式およびその種類をfusion_placeで設定した予算管理体系に合わせて簡素化したことで、本部での査定業務の効率を改善した
導入プロジェクトについて
本プロジェクトでは、コンサルティング会社が主体となりシステムを導入する方法を選択しました。
以下のような手順で、プロトタイプを見ながら要件を調整するアジャイル的な手法で導入を進めました。
1.本学がコンサルティング会社に要件を提示
2.コンサルティング会社が要件定義書、設計書を作成
3.コンサルティング会社が設計書に基づきプロトタイプを作成
4.本学がプロトタイプを確認し要件を調整
プロトタイプで実際の動きや画面を見ながら導入を進めたため、ウオーターフォール型での導入にありがちな、「出来上がったシステムを見たら、想定したものと大きく異なっていた」ということがなく、本学の要望にあったシステムを短期間で構築することができました。
アップライトを選択した理由
株式会社アップライトは、2018年4月に稼働した財務システムの導入にも参画していたため、本学の組織や業務についての知見を持っていました。加えてfusion_placeの導入実績もあるため適任と考えました。
また、導入担当者が公認会計士の資格を持っており、予算編成や経営管理分野で導入実績が多い点も高く評価しました。
実際、財務システムの難解なマスタからfusion_placeのマスタを作成する作業や資金勘定の設定など、会計とシステムの知見がないと難しい業務をスムーズに進めてもらい助かりました。
※ fusion_placeは株式会社フュージョンズ及びその供給元の商標又は登録商標です。
※ Excelは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。